心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

小さな小さな成功体験

大学を卒業するときに1つの賞を頂いた。賞といっても15人に1人くらいがもらえるような小さな賞であり、他人からさほど賞賛されるようなものでもなかったが、私にとっては忘れられないものとなった。もともとこの賞は尊敬していた先輩が受賞されたものであり、私も卒業の際にも取りたいとずっと望んでいた。どうすれば取れるかと戦略を考えたり、必要と思われる努力を積み重ねたりし、その過程でそれなりにしんどい思いや辛い思いも味わった。それでも、念願の受賞が叶ったときには、辛かったことなど悪いことも含め全てのプロセスが美化されたし、この小さな小さな成功体験が自分のなかでは大きな自信となった。その賞状を見ると今でも胸が熱くなる。

 

今、大きな壁にぶつかっている。何度トライしても跳ね返されては苦い思いが胸に刻みこまれる。未来の光が見えなくて、乾いた砂漠を歩いているような錯覚に陥りながら、かすかな希望すら見失いそうになる。でも、それでも、先の小さな小さな成功体験のように、その壁を乗り越えたときには、この苦しくて苦しくて辛いプロセスも全てが良き思い出に転換されるはずだ。まるで、沢山の黒の連なりも1つの白で全てが一気にひっくり返るオセロのように。このように思えるのも小さな小さな成功体験がお守りのようになって自分を支えてくれているからだと思う。

 

この壁を超えて新しい世界が見えた時、自分はまた一段と強くなれると思う。そして、もっと高い壁にぶつかったときも、この成功体験が新たなお守りとなり、必ず突き抜けれると信じる力をくれる気がする。だからこそ、やっぱり今はこの小さな小さな成功体験を抱きしめながら、無我夢中でもう1つ大きい成功体験が得られるようにする。それだけだ。