心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

合コンに学ぶ仕事術

浮ついたイメージのある合コンは遊びっぽい印象が強いが、幹事をしてみると意外なことに仕事に繋がる部分も多いものだと気付かされた。

 
合コンをセッティングにするには、まずは異性に合コンのお誘いからスタートする。一緒に飲むことだけが目的ではなく、できればその方にも恋愛の可能性のある方を紹介できたり、友達同士が仲良くなるような場にもしたい。そうしたことを直接的ではなく、少し遠回しな表現でニュアンスが伝わるくらいで誘えたら、経験的にはより合コン開催への確率が高くなる気がしている。仮に自分自身も恋愛へ繋がればいいという望みがあっても、そうしたことは押し出さず、声を掛ける相手やその友達にとっていかに有意義な時間にするかを考えて提案する。このことは営業に類似していると思う。売上の目標達成が1つの目的であっても、顧客にとって価値のある提供をすることが第一であり、その結果として後から売上がついてくる。やはり、まずは、相手のことを考え思いやること。結果は二の次三の次。利他の重要性を学ばされる。
 
続いて日程調整やらメンバー集めやら。出来る限り仕事によるドタキャンの可能性が低い日程で、相手に楽しませたり喜んでもらえるようなメンバーを募る。また、立地も考慮したうえでお店も考えなければならない。合コンに適した雰囲気で、その上食事も美味しい方が良い。合コンの2時間や3時間を想像しながら、必要な手配を整える。この辺は、プロジェクトの鍵となるプレゼンテーションまでの過程に似ている。当日が最高の仕上がりになるように、考えられうる準備を念入りにしておく。脳内でシミュレーションを繰り返して、課題点やら不足していることは洗い出すことは、頭の使い方が一緒であると思う。
 
そして、いざ、当日。事前準備をいくら行っても、予想外のことは起きることもあり、まずはそれを冷静にさばいておく。そのうえで、初対面の方も含めてそれなりの人数の場において、全体の雰囲気を常に考えておく必要がある。盛り上がりが足りないときは、その糸口を探しながら話を振ったり冗談やユーモアを積極的に切り出していかないといけない。そうしていい感じに場が温まってくると、今度は逆に一歩下がって仲間を立てたり、合いの手に力を入れたりして、皆に光が当たるように心掛ける。こうしたことは、リーダーシップの発揮に似ている。コミュニティーを鳥瞰しながら最適な状況になるように、自分を踏み台にしたり影を隠したりと黒子に徹する。そうした視点は、組織を束ねるマネジメントと同じである。
 
最後に、切り上げ方も手を抜いてはいけない。スマートに会を閉めてお会計を済ませ見送るまでいい感じの雰囲気を維持しなければならない。終わり悪ければ全て悪しであり、せっかく仲間意識を構築できても、1つのエラーで全てをぶち壊す可能性もある。そして、最初に合コンを誘った方への感謝の気持ちを忘れてはならない。協力して貰えたから合コンが出来たのであり、友達を呼んでくれたことなどのお礼をしっかりと伝える。合コンに協力して良かったと思えれば何よりであり、そのうえでまたの機会などに繋がればそれほど嬉しいことはない。こうした一連のプロセスはクローズ間際の案件を彷彿される。最後の最後まで全力を尽くし切り、相手をねぎらい、最高の形で幕引きを行う。いい仕事ができて信頼を獲得できれば、また違うプロジェクトを共にすることになるかもしれない。
 
合コンと仕事のこじつけ感も否めないが、内容は違えど考え方や行動プロセスは酷似しており、合コンで得られた経験値が仕事の実力を高めることも大いにあるだろう。どのようなことでもPDCAサイクルを回し、失敗したりたまに成功したりしていると、仮説実行検証行動の精度は高まっていく。合コンに限らず、身の回りのことでも仕事の能力を高める一助になる経験は他にもあるだろう。そうしたことでも己を磨けられればより成長できそうだと思う。