心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

エンジニアリング会社のお仕事を想像する

2015年の日経新聞私の履歴書日揮グループの代表の方であった。エンジニアリング業界という聞き慣れない業界の会社であり、仕事内容もさっぱり知らなかったが、これを機にあれこれ考えたり想像してみた。

 

石油精製プラントを新たに造るとして、一連の仕事を考えてみる。

プラントのような巨大な設備を造り上げるにも、まずは市場調査から入るだろう。その調査も、石油が必要な割には輸入に頼っていたり、絶対的に石油の量が不足しているような国が該当するだろう。石油に関しては日本のような先進国では十分な量が満たされ、むしろ飽和気味であるから、必然的に海外でこれから経済成長を遂げようとしている国が候補としてピックアップされると推測される。そして、その国における人口やら予想される経済規模から石油の需要量を算出し、それに見合う大きさのプラントの設計やら、建設予定地の選定や調査、建設の工程、必要資材などを加味して建設費用を見積るのだろう。そうして国家的なプロジェクトの売り込みともなれば、営業マンの行く先は政府関連だと推測される。そうした一大事業の決定権を持つキーパーソンへの人脈を構築し、石油精製プラント建設を提言していく。権限を持つ重役と何度も商談を繰り返しながら、徐々に構想が具体的になっていき、受注が決まった時に実現に動き出すのだろう。

受注までにほとんどは決定されているのであろうが、建設施工を行う会社や、必要な資材を調達する会社、資金調達を行う金融機関に仕事を発注し適宜調整をしながらプロジェクトの駒を進めていく。そうして、日本の身近な場所でも時々目にするように、土地ならしから始まり、足場を造り外形を構築して、内部や細部も仕上げていく。そうした建設が全て完了すると石油精製のテスト運転を確認して引き渡しという流れになるのであろう。そのような建設プロジェクトにおいて、遠く離れた異国の地で、その近隣の国から必要なスペックを満たす資材を調達できるのか、日本から運ぶのであらばそのスケジュール調整、異国の地の作業員とのコミュニケーションや仕事のマネジメント等等等、プラントエンジニアリングならではの仕事の難しさも容易に想像できる。何百億や場合によっては数千億のお金が動き、工期も何年か必要とし、世界をまたにかける仕事であり、スケール感はそんじゅそこらの仕事とは比にならなさそうなイメージを持った。

 

こうして別世界過ぎるエンジニアリング会社のお仕事を想像してみたが、市場調査からニーズをとらえ、最適な営業を行い、顧客が満たす物を提供する。といった仕事の流れはどのような業界でも同じなのだろうと気づかされた。そのなかで、異国の地で多国籍の作業員をマネジメントする能力のような、仕事を遂行するにあたり業界特有の技能やスキルが求められるのであろう。そのあたりが"専門性"とも呼ばれる部分でもあると思った。エンジニアリング業界を空想することで、マクロな仕事のプロセスはどの業界も普遍であるが、仕事内容によって必要な専門性がある。といったことを学んだ。他の様々仕事を想像することで色々な発見がありそうで、それはそれで面白そうだ。