心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

どの価値のためにお金を支払うのか

我々は何気なくお金を使いがちであるが、価格を分解して考えると、もっと良い消費活動ができたりする。

外食を例に考えてみる。1,000円のご飯を食べたとすると、そのうちの食材費としてかかっているのは300円で、残りの700円は料理や片付けなどの労力節約ために支払っているようなものでもある。これが知人との会食であればまた分解の仕方が変わり、300円が食材費、労力節約に200円、交際費に500円となったりする。食材費の300円はスーパーなどで売っている市場価格で換算できるため固定できるが、労力節約や交際費のような無形のものはそれぞれの価値観から割り出されるものである。
見方を変えて、1人でBARに飲みに行って3,000円使ったとする。これを分解すると、お酒代は500円、マスターと話す楽しみに500円、そこから聞ける話の学びに1,000円、店内の雰囲気に1,000円のような内訳になったりする。人によってはお酒に500円、話す楽しみに2,500円のつもりで支払っているかもしれない。

つまりは、支払う金額と飲食の原材料費の差額分は、各人が求める価値に対してお金を出しているのである。 

BARで3,000円使ったけど、それなりに学びがあって、なんとなく楽しめて、リラックスもできたなどのような安易な感想を持つのではなく、
本当に自分自身が求めている価値を深く考えることで、戦略的にもっとコストパフォーマンスのいい時間やお金の使い方ができる可能性がある。

上記のBARで3,000円の件も、お酒代500円(原材料費)、話す楽しみに500円(エンタメ代)、学びに1000円、雰囲気に1,000円(リラックス効果)であるとすると、
場合によってはBARに行くよりも、お気に入りの温泉に行き600円(リラックス効果)、スーパーでちょっといいお酒を1,000円で購入し(原材料費)、800円の本を買い(学び)、電話代200円かけて友達と会話(エンタメ代)した方が、トータルのコストも下がる上、満足度も高かったかもしれない。

サービスやエンタメ、学び、またはリラックス効果のような無形で価格が定まっていないようなものは、本人の感覚に委ねられる。そこをなあなあに見逃すのではなく、今一度自分が求める価値を正確に見極めることで、より効果の高いお金の使い方ができるといえるだろう。