心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

忙しいと思考はできない

今日は仕事で納期や締め切りといったデッドラインが多く、短時間で処理し切らなければならない業務が多かった。言葉はあまり好きではないが、いわゆる「忙しい」という状態である。「忙しい」と言ってはいはいけない - 心豊かに生きていきたい時間が無いので、いかにして効率よく仕上げるか求められる形にするかに必死であり、可及的速やかに判断や処理を繰り返す。そんな1日であった。


1日を省みると、確かに密度の濃い時間であったが、あまり「思考」はしなかったことに気づく。一刻も早くさばいていくには、基本的に過去に経験したものの延長で取り組んでいく。

例えば、日常に置き換えて、一刻も早くカレーライスを作らなければならないとする。まずは行きつけのスーパーに材料の調達にいき、作ったことがあり手慣れた具材で、過去に美味しくできた時間分煮つめるなど、経験をベースにするのが最も効率的だ。このような場合、早くするために最適な方法を考えたり、じゃがいもを大きく切り過ぎた時にどうリカバーするかという判断は沢山する。しかし、このような「忙しい」状態では、甘口と辛口どちらがよかったか、ライスよりもナンの方がよかったかといったことは考えにくい。もっと言うと、そもそもカレーライスよりもハヤシライスの方がベターだったではないか、更には、鯖の味噌煮を作った方が顧客満足度は最も高くのなるのではないかといった思考は一切できないものである。


仕事の話に戻ると、目先のことを早くこなすことばかりに必死になっていては、その仕事の全体像や本来の目的を見失いがちだし、そもそも、その業務が本当に正しいアプローチであるのか、別のやり方のほうがハイクオリティなものができるのではないかといったことを思考できなくなる。


社会で働いていると、今日の私のように全く余裕がなく目先のことのみをこなさなければならない日もあるだろう。そしてそれも必要なスキルだと思う。だが、そのぶん、余裕があるときにしっかり思考をするようにしておきたい。思考こそが生産性を高める鍵であり、素晴らしい仕事をするための必要条件であるとも思う。「忙しく」量をこなす仕事と、「思考」をして質を高める仕事の両輪を回すことで、ビジネスパーソンとしてのレベルを上げていきたい。