心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

成功が当たり前の仕事と失敗が当たり前の仕事

電車の運転手さんの運転を後ろから覗いていると本当に凄いと思わされた。分刻みの運転ダイヤを正確に守り、閉まりかけのドアに入ろうとする飛び込み乗車にも安全に対応し、沢山の命を預かって目的地に届ける。そのような業務を当たり前にこなし、きっちりと任務を果たされる。安全対策を損なうと取り返しのつかないことになるぶん、電鉄会社の皆様は常に細心の注意を払われ、「成功が当たり前」の仕事となっているのだと想像させられた。

 

一方、研究職のような仕事や、起業や新規事業のようなビジネスの現場では、簡単にはものにならない。膨大な仕事量をこなし、何年かかけても、芽がでなかったということもざらにある。いわんや、日々の業務は失敗の内容だらけである。そうした大量の失敗の中から経験値を積み真相の見え方が深まりながら、ちょっとずつ成功の欠片をつかんでゆく。このように、大量に失敗して、そのうちの数%が良い線をいき、そのなかから選りすぐりの1つか2つが成功につながる。こちらの場合は「失敗が当たり前」の仕事ともいえる。

 

世の中には、成功が当たり前の仕事と失敗が当たり前の仕事が存在する。そのどちらの仕事が偉いというわけではない。どちらもが無ければならない仕事である。それでも後者の仕事の方がよりやりがいが大きく、より仕事が面白いと言われている。そうなると、やはり将来はそちらの仕事の比重が大きくなっていければ良いなと思う。

 

ふと思う。これまで受けていた教育では「成功が当たり前の仕事」よりのことが多かった。正解が決められた100点満点のテストで減点方式で採点されたり、大学のセンター試験で5択から正しい答えを1つ選んだりするのなどは特にそんな気がする。失敗が当り前のことに初めて関わったのは大学4年で研究室に所属されてからの研究だと思う。私には失敗が当たり前となる物事の経験値が圧倒的に少なすぎる。そんな過去を考えながら、今後「失敗が当たり前の仕事」を意識的に取り入れていけるようにして、そこで結果を出せるように尽力していきたいものだ。