心の在り方 R&D

物も情報も不自由なく取得できる時代なのに、心は晴れずなかなか幸せになれない。心穏やかに少しでも心豊かに生きていけるようにしたい。

思考の柔軟性と剛直性

依然、「忙しいと思考はできない」(※1)という記事を書いたが、その考えは益々強くなり、確信へと変わりつつある。することが多すぎててんやわんやのときはそれに必死であり、良いアイデアを生み出すことはなかなか難しい。では、いつ柔軟な発想ができるのかと考えていると、それは気持ちがリラックスしているときであると気づいた。

 

その原点となったのが、プライベートを満喫しているときの思考である。もともとは休日にも仕事をバリバリゴリゴリこなしたいと思っていたが、私にはそこまでの意思の強さも精神力も併せ持っておらず、休日に遊びに出かけてはせめてこそ仕事のことを少し考えようと取り組んでみた。それが意外と効果絶大で再現性も高いのである。

あるときの頭の中を言語化すると、

「あのお店のチャーハン美味しそうだなー、そういやクライアントへのプレゼンの論理構成はあれがベストだっただろうか。うん?あの車は青なのに止まったままだ。うーー、ラーメンのイイにおいがして食べた・・そうか、あの広報戦略の本質はもっと先のことを見ているのではないか?ということは財務モデルを考え直してプレゼンにしたほう・・おぉ美人だ!えーっと何考えてたっけ??そういやA子の彼氏イケメンとか言ってたな。。。」

みたいに、見たものや考えたことが完全に支離滅裂でカオスっぷりが半端ないが、そういう混沌としたところから不思議にもアイデアが生まれる。考え事をするぞと気張るのではなく、あの案件どうしよっかな~?テヘヘヘヘ。くらいの気持ちでぼんやり頭の中を走らせていると、職場で必死に考えても出てこなかったひらめきが街中なり観光地なりで突如思い浮かぶ。その思いつきは時間にして1秒か2秒。メカニズムはよく分からないが、一瞬で優れた案の道筋が見える(セレンディピティに近いかも)。こうした思考では、全体像や根本的な問いなど、俯瞰的なことを思い描くのに凄く適していると思う。プライベートでプレッシャーもなく、思考の「柔軟性」があるときには、大きなことやそもそも論、物事の本質などを考えるとインスピレーションが得られやすい。

 

反対に、実務的なことや思考の深堀は、こうした空間では集中し切れない。デッドラインがあったり、上司のプレッシャーをひしひしと感じながら、オフィス内で論理や理詰めに取り組んだ方が効果がでやすい。こちらは思考に「剛直性」があり、雑念の隙間がない場所の方が生産性が高まる。

 

よって、「マクロ」のことは思考の「柔軟性」のある場所で、「ミクロ」のことは思考の「剛直性」のある場所でこなすことが、最大のパフォーマンスを挙げられることに繋がるという結論に至っている。オフの日に全体像に思考を巡らせ、職場でそれをガリガリ実行し具現化していくというサイクルによって、仕事の生産性が上がっているという手応えも感じている。脳の状態に応じて思考内容も変化させて、もっともっとビジネスパーソンとしての能力を高めていきたいものだ。

 

※1